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yurio’s diary

日々の気づいたことをのせています。

パワーオブかわいい。

さいきん、通勤途中に可愛い洋服屋さんを見つけてしまった。

 
流行の形が多いんだけど、細部がちょっと凝っていて、バイカラーだったり、異素材を使っていたりする。店員さんはほどよい距離感で白々しくなく、一度行ったら顔を覚えてくれた。
 
洋服って、高いよね。
 
仕事が時給1000円だったら、1日8時間働いて、8000円。
 
さて問題です。
8000円のセーターを、買えるかな?
 
20日働いて、月のお給料が160000円。
一人暮らしなら、家賃が例えば65000円。光熱費10000円、携帯代7000円。食費20000円。お酒やおやつ、遊び代20000円くらいだとすると、出費計122000円。もうゼロが多くて訳わかんない。アラビア数字の限界。
 
残りは 38000円だ。1万円でも貯金しとこうと思うと、残りは28000円。
 
病院行ったりしたらもっと大変だね。
8000円のセーターを、買えるかな?
 
今日1日の働いた分で、やっと買える、とも言えるし、それだけじゃ買えないことがわかる。
 
 
わたしには、学生時代ひどく洋服の値段が高く思えた。だから働きだしてからも、3000円とか、4000円とかの服をアウトレットで買うくらいだった。
 
昔ヤマトナデシコというドラマで、松嶋菜々子がそれはもう美しく、シャネルの白いスーツとかワンピースとかを纏って、全お給料をほとんど注ぎ込んで、玉の輿を狙うべく合コンに向かっていった。
テーブルの向こうの、メンズに向かう松嶋菜々子の笑顔の上品さ。洋服の素敵さはまぶしすぎた。
まぶしすぎたけどいつか私にも、こんなきれいな格好が出来る日がくるのだろうかと思った。
それはなかなかやって来なかった。
行こうと思わなければ、来なかった。
しかしいまは、趣向も予算の規模もスチュワーデスの菜々子とは違うけれど、感動した洋服を買うようになった。
 
 
洋服って、一度買ったらずっと使えるわけじゃない。
下着とか靴下とか、例えばワイシャツとかスーツとか、必須の服のほかに、わいわい色んな服を揃えることを考えると、眩暈がしそうなくらいのコストに思える。
 
でも、可愛い服の、生活に与える、人生に与える、インパクトのすごさといったら他に例えようもないのだ。
 
明日どれを着て行こうとうきうき考えるときには、手持ちの服をきれいに一覧できるタンス、クローゼットであって欲しいから、綺麗に収納する癖がつくし、柄や色を組み合わせるのは料理の味付けみたいに難しいけど、楽しすぎる。
 
 
着ていくことが楽しみで、着ることも楽しみなら、24時間楽しみがあることになる。
それって、めちゃお買い得なお買い物な気がする。
 
どんなに落ち込んでいる時でも、尊敬する人が殺されてしまったときでさえ、美しい洋服は人を支える。
辛くて握りしめた手の中にあるのが、着古した毛玉のいぼいぼではなく、さらさらした繊細で柔らかい生地であることに、人は癒されたり慰められたりするから、大人になるにつれ、失うことも増えるにつれて、高級な服を揃えておく。よしもとばなながそんなニュアンスのことを言っていました。
 
とにかく、働いていて、かわいい服を買えている時点で私の勝利。搾取しているつもりでも買えている時点で私の勝利。松田青子もそんなことを言っていました。
 
かわいいの力はすごいです。
 
満身創痍で帰ってきて、もうしんどい。そういうとき、家に帰ってきて受け付けるのは、可愛い来季の洋服のことと、クレヨンしんちゃんだけです。
罪悪感も悲壮感も可愛い服の前では無力です。ひれ伏してときめきに身をまかせましょう。破産はしないよう気をつけましょう。
 
美しい服を着ましょう。
お年寄りになるにつれ、明るくて中性的で個性的なデザインの洋服を着たいなあ。
遠くから見てもわたしだとわかる、はっきりした発色の、洋服を‼︎
 
可愛い服を買えることの幸せを思う。
可愛い服を買えなくなるかもしれない近い未来も思う。思って今は、毎日よだれを垂らして明日着るコートを選ぶ。