yurio’s diary

日々の気づいたことをのせています。

星の降るような夜に

今日は、寒いよさむいよー!

安いよ安いよー!
みたいな感じで。
 
あんまり寒くて家のカギを玄関先でかばんからひっぱり取り出して適切に差しこむまでに小一時間を要した。
 
我が家はアナログな可愛いカギでちょっぴり錆びぎみの上に寒さで小指が小刻みに震えており、
さらに私の前に1億2千万人の小人が行列をなしていたのだから仕方ない。
 
 
 
寒いから腕をぶんぶん振って歩いて帰ってきた。
不審者から身を守る為には、自分が不審者になるのが一番だ。
 
早歩きで家路に急いだ。
 
寒ければ寒いほど元気でいられる!
 
寒いの敵だから!
寒いのも不審者も敵だから、私頑張れる。負けずに頑張れる。
 
今日を生き抜ける。
ちゃんと逃げ回ってるだけで人生きっとちゃんと終わるから大丈夫。
 
 
星がすごくきれいだったよ。
 
見上げている横から暴漢がやってくるんじゃないかと思って取るものもとりあえず走って来ちゃったけど星いっぱいだった。
 
私の脳内は、
エレファントカシマシの「星の降るような夜に」でいっぱいになった。
 
エレファントカシマシは走りながらギターをかき鳴らして耳元でフレッシュに歌ってくれた。
 
気づくと私の頬が濡れていた。
その上目も鼻も喉も濡れていた。
 
 
なんで寒いほど星が綺麗なの、
空気が澄むほど寒いの、
なんで寒いのにハゲるの、
白髪が増えてゆくの。
 
 
 
四季が日本人と私の情緒を育んでくれてよかった。寒いからわびしいとか暑いから向こうへゆけとか、季節の温度変化がみんなの単純思考を育ててくれたんだね。
東京の赤土よありがとう。
 
常になまぬるい温度の土地でなくて幸せだ。
白髪が増えなければもっと幸せだ。

 

いつか私の鼻から真珠がでてきたら

目下元気に風邪ひきの真っ最中であり、鼻水が止めどなく流れる。

 
会話している最中でさえ、いやそういう時に限って、透明のそれは見え隠れする。
向かい合ってる相手が鼻をこすったりすると、
よもやわたしの鼻水チンピラが見られてしまったのでは?無言ですするように私に促しているのではと思う。
 
これに気づかずにへらへらしていては相手の思いやりに気づかないうすのろ と思われるばかりでなく、
相手の脳裏に一生とは言わずとも数ヶ月位は焼きつくであろう私の鼻たれ顔のことを思うと、
 
もう全く気が気でない。
 
孫の代まで鼻水たれてた人 というレッテルを貼られるのではないかと思うと恥ずかしさを通り過ぎて最初の信号を右に曲がって横っちょの隅っこでねそべりたい心持ちになる。
 
 
もう気が気でないから、ちゃんと私は応じて見せる。ボブは鼻をこすりわたしも鼻をこする。ボブは少し恥ずかしそうにしながら私をちらっと見て、照れ隠しにさっきまで夢中で話していた日本のおそうめんについての話題を途切れ途切れ口に出してみたりする。
ボブは私の鼻水を心配していたのではない。ただ私がちょっと気になる程度の異性だったから照れて鼻を掻いたのである。
 
 
 
そういうわけで、見せかけの良好な人間関係を保つため、私の鼻はマスクを欠かせない。化粧も顔下半身は適当でいいし、今はとても寒いから防寒になるし、肌の保湿になるしいいことしかない。
 
ただしモテる人、モテたい人はマスクをちょっとはずして飲み物を口にするときにちらっと見えるフェイスにしっかりファンデーションを塗っておかねば駄目である。それが女子力なのである。
 
それにきちんと気づいて、久しぶりに露わになった彼女の顔を見ているかいないかのといった様子でちゃんと興味を持っている風を装って差し上げるのが男子力である。
 
 
 
水は流れることなしには濁る。
 
変わることなしでは、同じところに留まっていては、つまらない人間になってしまうのである。
 
つまり、わたしの鼻も水を流し続けることによって、変化しイノベーションを起こそうというわけである。
 
 
ところで鼻水には2種類あり、
良い鼻水と、悪い鼻水があって、
それ黄色いか透明か真っ赤であるかの違いである
 
というのは嘘ですが、
 
 
黄色、もしくは激黄色、黄土色、透明、白濁、とその日のご気分でお好みのカラーをお選びいただけます。
 
とろみもご希望の方はご遠慮なくお申し出くださいませ。
 
一回ですっきりもよし、小分けに可愛く鳴くもよし、
数秒で痛快、快適爽やか。
 
オーダーメイドを是非ご検討ください。
 
 
 
 
…元気に風邪色のまっ黄色い鼻水をふかしたときの痛快さはこの上なし。
 
とりあえず、鼻かみたいのにかめない、気持ちよくないという人は私を呼ぶがよい。
 
 
話変わって
さきほどのこと。
 
例によって鼻の御水が滴りそうになったので、ティッシュで覆った上で鼻から息を吸ったり吐いたりしながらくまなく探索したところ、丸い硬いものに突き当たった。
 
 
ころっとしているのである。
 
たまさかこれはなんでアルか。
ぐりぐりほじる。
 
接地面と思われるところを勢いよく引っ掻いてみるがとれる気配がない。
 
不安。
不安になってくる。
 
いつから私はこんなに大きい丸い鼻くそをこさえるようにな体になってしまったのだろう。
私がごめんなさい。
悪かった、が面倒くさくて言えなかったごめんなさい。
 
 
 
全然とれない。
ティッシュ越しではよくわからないので、
ここは
思い切って直に触れてみよう。
 
私はロフトにいた。
 
周りには、今を先取る雑貨たちと、何てことのない平凡な多摩の土壌で生まれ育った地区民と仲の悪そうなカップルがいた。
 
 
わたしは意を決して指を優しく入り口にあてた。
 
 
 
 
いた、
それは確かに。
それは確かに尾てい骨的な鼻の骨のような感触であった。
 
よかった。
 
異物でなかった。
私のはなみずが硬くてきもい異物を生産していなくて良かった。そのためのエネルギーとして三食睡眠9時5時労働しているわけでは
ないのだ。
 
 
ほね は思ったより柔らかかった。
 
柔らかかったので、なんだか優しい気持ちになり、しばしロフトで1人ほんわかした気持ちに浸った。
 
 
 
しかし、いつか私の鼻は、真珠でもこさえてしまうのではないかという不安が全く無くなったわけではない。
 
 
いつか私の鼻から真珠がでてきたら、
 
私は輝くような目をして、宝石店にいってオリジナルのワントップネックレスをこしらえよう。
 
そして道行く人にびらびらと見せびらかしながら歩き、
評判がよかったら量産しよう。
 

 

かなしみの歯医者

歯医者のいすに座って、わたしは選択を迫られていた。
 
右上奥歯は、既に、なにか物を食べたり歩いたり誰かを罵倒したりヘッドバンディングしなくても、
ただそこに居るだけで、じくじく痛んだ。
治療途中で、半年惚けていたためだ。
 
やわらか系歯医者のメンによれば、あと数日の命だということだった。
うそです。
 
医師は言った。
寝れないほど痛いなら神経抜きましょうか。
 
寝れない…わけじゃない。何と言っても寝つきだけは誰にも負けないのだ。
それに、たまに、痛くない、え、大丈夫、みたいな時もある。
 
根っこ、根っこなんて抜いちゃっていいの?ピーって糸くずみたいに引っこ抜くんですか。
ゾー
 

私は、右上奥歯の歯根をなくした私を想像した。

 
抜いてしまったものはもう戻らない。
またヒョッと植えつけたりできない。
 
でもまたずっと痛いなんて嫌だ。
 
春になっても神経は生えてこない。
永遠(とわ)にさようなら、
血みどろの私の歯ぐき。
 
私は、神経を引っこ抜く決意を医師に表明した。
医師は黙って頷いた。
 
そして、神経とは糸くずではなく、
引っこ抜くものでもなく、
トロっと血とかと一緒にでてくるのだと
教えてくれた。
 
ヒー
 
 
人生ってそうだけど、
わたしは、取り返しのつかない色んなことでできてるんだなあ…という思いが、すごい実感とともにやってきた。
 
取り返せたり、リセットできちゃう色んなことの方が、うそ!うそ!
 
 
 
そういうわけで、奥歯だけだけど☆嫌なことがあっても怖くない!怒られても無視されてもへっちゃらさ!ザ、無神経☆女に一歩近づきました。
 
…でも、歯、いたい…
 
なんで!
 
神経抜いたのに!
 
もう無神経なのに!
 
もしや…
 
他の歯の神経をとられてしまったのでは…
先生は、歯医者の格好をしているけど本当は違って、
神経のトロっとしたところをすすって、
生きている生き物なのかも……
わたしの歯、すすられたのかも…